「存在の耐えられない軽さ」感想
2008 / 03 / 03 ( Mon )
この小説の語り手は「私はもう何年も前からトマーシュのことを考えている」と言う。この語り手は誰だろうか。読み進めていくと、それは作者だとわかる。作者はさらにトマーシュらは「作者の作り出した人物」ということも語っている。これは小説なのだから当然登場人物は作り物なのだが、それを小説内ではっきり言ってしまってる作品はあまりないと思う。この小説をひとことで「恋愛小説」と呼ぶには複雑すぎる。恋愛だけでなく、哲学、政治などお固いテーマも含まれてるからだ。私はあえていうなら、この本は作者の「思考実験的な小説」なんだと思う。ある架空の男女たちが語る、世の中の事象についての考察。 なので、この小説では時系列がバラバラで、登場人物たちの人生はいったりきたりを繰り返す。その進み方は時間ではなく、彼らと作者の思考にそって進むからだ。思考とはタイムラインに沿ってまっすぐにはすすまない。トマーシュとテレザ、サビナとフランツの人生は、作者の思考の中で奇妙なダンスを踊るかのように描き出される。だが、かといってトマーシュたちは機会仕掛けのような感情のない人間ではなく、もしかしたらどこかにいるんじゃないか、と思わせるような人間らしさと個性を持っていて、そこが何よりこの小説の魅力だと思っている。彼らには共感できないけど、彼らの生き方を見届けたい、そんな気持ちになる。 池澤夏樹はトマーシュたちの老後が見たかったとブックレットに書いてあるが、私はそうは思わない。作者の思考実験の中で踊る彼らは、物語とともに消え行くのがふさわしい。物語の先に、彼らはいない。だからこそ最後のダンスシーンは心に残る。映画「存在の耐えられない軽さ」のラストも好きだったが、小説のラストも好きだ。どちらもそれぞれふさわしいラストだと思う。 |
「存在の耐えられない軽さ」読了
2008 / 03 / 02 ( Sun )
「存在の耐えられない軽さ」読了しました。 面白かった。映画のラストが好きだったのだけど、小説は違うのね。 「キッチュ」がドイツ語というのがなんか意外。 次は感想です。 |
「存在の耐えられない軽さ」その1
2008 / 02 / 27 ( Wed )
「存在の耐えられない軽さ」読書中です。 今半分くらい読み終えたところ。ちょっと時間かかってるかな? でも面白いです。とゆーか、こんな話だったっけ? 映画と大分違うような。違うというか、部分部分は映画と一緒なんだけど、 映画の方が「筋」になってるんだろうね。小説はもっと断片的な感じ。 だから見たことあるシーンはたくさん出てくるけど、全体の印象は全く違う。 映画化には苦労しただろうなー。特に脚本。 そう考えると、映画もそれなりに良い出来なのかもしれません。 原作とは違ってますけど。 |
「存在の耐えられない軽さ」入荷
2008 / 02 / 13 ( Wed )
世界文学全集第3巻「存在の耐えられない軽さ」が発売されました。 公式HPでは2/13発売となってましたが、もう出たのですね。 思ったより早いのでちょっとびっくり。 この本は394Pで、ちょっと薄く感じる。 2巻「楽園への道」は520Pもあったんだなー。 あまり長くは感じませんでしたけど。 いつから読み始めるか決めてませんが、早めにとりかかりたいです。 |
映画「存在の耐えられない軽さ」
2008 / 02 / 09 ( Sat )
2月13日に発売予定の「存在の耐えられない軽さ」(ミラン・クンデラ)。 この作品は映画を見たことがあります。 (原作も読んだような気がするけど殆ど忘却の彼方…) 見たのはまだ大学生の時で、10代だった…のか? その頃はミニシアター系の映画が大好きで、ゴダールだのタルコフスキーだの、理解できなくても見てたのでした。若かった。 で、「存在の耐えられない軽さ」もレンタルで借りたのでした。 主人公はダニエル・デイ・ルイスにジュリエット・ビノシュにレナ・オリン。ジュリエット・ビノシュはこの頃とってもかわいかったなあ!レナ・オリンもセクシーでかっこよくて…。テレーザとサビナ、どっちがいい?って友達と話したりしたなあ。私はやっぱりサビナかな…と思ってたけど、今になるとテレーザの一途さも愛おしいかなと思う。男性だったらサッパリしたサビナの方がいいのかもしれない。 そうそう、この映画でたしかトマーシュとテレーザが朝、犬を連れて朝食のパンを買いに行くのね。そしてロールパンを犬にあげるのだけど、犬の名前が「カレーニン」で、それは「アンナ・カレーニナ」からとった名前だ…というシーンがとっても素敵で!憧れたなあ。「アンナ・カレーニナ」読んでみたいと思った。でもまだ読んでないや。 この映画って、ジャケットからしてエロスな感じが漂ってますよね〜。私も昼間見るのは気まずくて(親も妹もいるし)、こっそり夜に見てました。そして、あともうちょっとでラストだ…って時に、なんと父親が起きてきたのです。映画が大好きな父なので、とりあえず画面を見る父。めちゃくちゃ気まずい。 しばらくして父いわく「あの木の名前がわかるか?」 は?シーンはラスト近くトマーシュとテレザがドライブしてるとこです。 父「あれはホップだ」 あー、ホップって、ビールの原料だよね。あれかあ…。 そして父は去っていった。 映画「存在の耐えられない軽さ」のラストシーンを見ることがあったら木も見てください。あれ、ホップらしいです。 |
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